反転する福祉国家――オランダモデルの光と影作者: 水島治郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/07/19メディア: 単行本購入: 3人 クリック: 36回この商品を含むブログ (10件) を見る ワークシェアリングを始め、福祉国家の先駆的存在として各国の模範とさ…

舞姫作者: 森鴎外発売日: 2012/09/27メディア: Kindle版この商品を含むブログ (6件) を見る 高校時代に読んで以来の「舞姫」を授業で扱うために精読した。詳しく読めば読むほどこの小説がよく考えられた作品だと驚嘆する。 あらすじだけなら、洋行してきたエ…

リアル30's作者: 毎日新聞リアル30's取材班出版社/メーカー: 毎日新聞社発売日: 2012/10/29メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 「毎日新聞」に連載されていた、「リアル３０’Ｓ」が本になりました。同じ３０代として共感するところが多かっ…

とりかへばや、男と女 (新潮文庫)作者: 河合隼雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1994/03メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (17件) を見る 河合隼雄のとりかえばや物語論です。前半は「とりかえばや物語」をストーリーに沿って解説していき…

中高生のためのメンタル系サバイバルガイド作者: 松本俊彦出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2012/07/28メディア: ムック購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (2件) を見る 「中高生のための」とあるように、中高生も読めるような仕様になってい…

高校で学ぶ発達障がいのある生徒のため 共感からはじまる「わかる」授業づくり作者: 大阪府教育委員会,小田浩伸,伊丹昌一出版社/メーカー: ジアース教育新社発売日: 2012/09/03メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 大阪府教育委員会が編集している、…

宗教的経験の諸相 上 (岩波文庫 青 640-2)作者: W.ジェイムズ,桝田啓三郎出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1969/10/16メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (21件) を見る 本書は個々の宗教の教義などについて書いている本ではない…

原発とヒロシマ――「原子力平和利用」の真相 (岩波ブックレット)作者: 田中利幸,ピーター・カズニック出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2011/10/08メディア: 単行本 クリック: 1回この商品を含むブログ (107件) を見る 本書は序章「ヒロシマ・ナガサキからフ…

人生なんて無意味だ作者: ヤンネ・テラー出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2011/11/23メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 29回この商品を含むブログ (7件) を見る デンマークの女性作家ヤンネ・テラーの小説で、デンマークでは中学校の副教材として使われて…

働きざかりの心理学 (新潮文庫)作者: 河合隼雄出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/04/28メディア: 文庫購入: 5人 クリック: 10回この商品を含むブログ (22件) を見る 本書の初出は昭和５６年ということだから、１９８１年。私は７歳。高度経済成長で豊かに…

神様のカルテ 3作者: 夏川草介出版社/メーカー: 小学館発売日: 2012/08/08メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 4回この商品を含むブログ (34件) を見る 正直、文体や全体の構成はあまり好きではないのだけれど、人情の部分の描写はなかなかうまい。陳腐に堕…

3・11後の自衛隊――迷走する安全保障政策のゆくえ (岩波ブックレット)作者: 半田滋出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/07/06メディア: 単行本（ソフトカバー）この商品を含むブログ (2件) を見る 本書は４章に分かれています。１．「大震災とその後の自衛…

明暗 (岩波文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 1990/04/16メディア: 文庫 クリック: 2回この商品を含むブログ (18件) を見る 漱石の未完の大作、『明暗』です。私が読んで思ったのは、『こころ』で漱石の小説はできることをし尽くしたのだ…

9.9教会礼拝証 ヨハネ4:6 〜9 この夏は新聞に毎日いじめの記事が載っていました。大津の事件がきっかけとなって多くの人が意見を言ったり、調査をしたり、他のいじめの事件を報告したりしていました。 私も学校に勤めているので、いじめ事件に関係することが…

ヘルタースケルターを観ました。欲望が商品として消費されていくというのはこういうことだと突きつけられるような作品です。 全身を整形して完璧な美女になった主人公リリコは、トップアイドルに登りつめますが、整形の後遺症で身体に異変が出てきます。後輩…

『思想』の軌跡――1921-2011作者: 『思想』編集部出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/25メディア: 単行本 クリック: 6回この商品を含むブログ (7件) を見る 本書は1921年に創刊された岩波書店の雑誌『思想』の軌跡をたどる座談会形式の特集です。 全体…

道草 (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1951/11/30メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 28回この商品を含むブログ (35件) を見る 完成した小説としては最終作品である『道草』。自我の問題と格闘した漱石は、死ぬか、気が違うか、宗教…

甦るロシア帝国 （文春文庫） [ 佐藤優 ]ジャンル: 本・雑誌・コミック > 文庫・新書 > 文庫 > その他ショップ: 楽天ブックス価格: 832円 佐藤優氏が、外交官としてソ連の崩壊前後の出来事を内部から報告したリポートです。歴史の教科書の知識しかない私には…

スポーツを考える―身体・資本・ナショナリズム (ちくま新書)作者: 多木浩二出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 1995/10/01メディア: 新書購入: 1人 クリック: 48回この商品を含むブログ (12件) を見る 本書は社会とスポーツについて様々な角度から考察を加え…

祖父・小金井良精の記 下 (河出文庫)作者: 星新一出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2004/06/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 5回この商品を含むブログ (17件) を見る 星新一の祖父、小金井良精の伝記です。構成として面白いのは、良精自身が書いて…

ヒュウガ・ウイルス―五分後の世界 2 (幻冬舎文庫)作者: 村上龍出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 1998/04/01メディア: 文庫購入: 4人 クリック: 20回この商品を含むブログ (38件) を見る 『五分後の世界』の続編です。以前読んで続きが読みたいと思っていたと…

続・悩む力 (悩む力) (集英社新書)作者: 姜尚中出版社/メーカー: 集英社発売日: 2012/06/15メディア: 新書購入: 3人 クリック: 10回この商品を含むブログ (23件) を見る 姜尚中氏の『悩む力』の続編です。３・１１を受けて、現代を支えてきた資本主義社会の…

日本キリスト教主義学校教職員組合連合第59回定期大会、兵庫県立舞子高等学校環境防災科の諏訪清二先生の講演「二つの災害を通して考える」メモ 〈避難訓練〉 時間・コースが決まっていて、生徒・児童は教師から「急げ」と怒られ、「遅い」と怒られるだけの…

現場の教師にとっては、いじめの「認定」などはどうでもよいことである。人間関係で困っている生徒がいる。それなら話をとことん聞くのが教師の仕事だ。毎日顔を合わせていれば、表情が暗い、顔色が悪いなど、さまざまなサインに気がつく。担任が気づかなく…

原発危機と「東大話法」―傍観者の論理・欺瞞の言語―作者: 安冨歩出版社/メーカー: 明石書店発売日: 2012/01/07メディア: 単行本購入: 10人 クリック: 220回この商品を含むブログ (47件) を見る「東大話法」とは、副題にあるとおり、傍観者の論理・欺瞞の言語…

旅のパウロ――その経験と運命作者: 佐藤研出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2012/02/24メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログを見る パウロが実際に歩いた行程を「使徒言行録」と手紙類からたどり、実際に行ってみたという、ありそう…

ストーリーは原作の「グスコーブドリの伝記」と、その元の作と言われている「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」が混じっている上に、全体は「雨ニモマケズ」の精神で貫かれ、ブドリの妹ネリが賢治の妹トシに見立てられているようです。原作ではネリは農…

こころ (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2004/03メディア: 文庫購入: 18人 クリック: 370回この商品を含むブログ (438件) を見る 自然の働きに抗して人為を優先した結果、自然の復讐を受けるというテーマは『それから』にはっきり出…

行人 (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1952/03/24メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 69回この商品を含むブログ (66件) を見る 『行人』も『彼岸過迄』同様、なかなか主人公が登場しない。敬太郎に当たる人物である二郎が語り手であ…

彼岸過迄 (新潮文庫)作者: 夏目漱石出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1952/01/22メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 39回この商品を含むブログ (54件) を見る 元日から彼岸過ぎまで書くから、「彼岸過迄」という題名にしたと漱石自身が「彼岸過迄について」で…