ガールフレンドエクスペリエンス

 今日はテアトル梅田に行って来ました。火曜日がメンズデイで1000円です。そんなんばっかですが、安く観られるのはありがたいことです。このホールもナナゲイに負けないくらい狭くて鄙びた感じですが、ナナゲイと同じく、面白い映画がかかります。なぜか始まりの時に学校のチャイムが鳴ります。夏にこんなのを聞くと、夏休みに小学校の講堂に集められて映画鑑賞会に来ているようです。
 さて、この作品は事前に紹介で何となく内容を見ていたので、分かりましたが、なかなかストーリーを追うのが難しい映画です。高級コールガールである女性が主人公なのですが、説明抜きで話が進んでいく上にたくさん人が出てくるので、なかなかその人物が何者であるかわからないのです。彼女にはジムで働いている恋人もちゃんといて、恋人も彼女の「仕事」を理解しているという不思議な関係です。彼女の「クライアント」は初めかなり地位も金もある人物たちなのですが、どうやら時代はちょうど大統領選の直前らしく、景気は最悪、金持ちたちもあたふたしている様子が描かれます。プライベートジェットに乗っている場面が何度か挿入されます。どうやらラスベガスに行く金持ちたちの様子なのですが、そこに彼女の恋人も乗っています。彼はジムでその金持ちの一人と知り合いになったみたいです。そこで何か新しい事業を立ち上げる話があったのですが、このストーリーはメインじゃないので、中途半端になったままです。また、彼女の同僚と思われる女性と食事をしながら話をしている場面が挿入され、その辺の会話からストーリーがどこまで進んでいるのかわかります。その合間合間に彼女の「仕事」の様子が映されます。相手の好みに合わせた化粧、下着、服、靴など、完璧なガールフレンドを演じるのが彼女の役割です。さらに、ジャーナリストが彼女にインタビューしている様子が何度も挿入されます。そこからもストーリーの進み具合がわかります。
 以上のようにメインストーリーが様々な場面の会話の中に細切れに出てくるので、ストーリーを追うのが難しいのです。どうやら妻子持ちの男性に彼女が本気になってしまうところからが物語の展開のようで、恋人とも喧嘩別れしてしまいます。その上、その男性が約束の場所に現れず、傷ついた彼女に追い打ちをかけるように、ネットでの彼女の評判が下がってしまいます。どうやらドバイにコールガールたちを集めて金持ち相手にパーティーを開くというイベントを断ったためのようですが、よくわかりません。年下と思われる女性に上客を取られ、恋人とも別れてしまった彼女が、新しいクライアントのところへ行って「仕事」をしているところで映画は不意におわります。どうやらその客はあまりハイレベルではないようです。
 印象的なのは、彼女が自分の人生の指針としている「本」のことです。どうやらそれは占いのようなもので、生年月日を基に相手を知る方法のようで、それにしたがって彼を捨てて、妻子ある男のもとへ行こうとすることで、恋人と別れてしまいます。それでも彼女はその「本」に絶対的に従います。知的でジムに通って身体を鍛え、美しく、賢い彼女がそうしたものにしたがって生きることに違和感を覚えるとともに、完璧に見える彼女の弱さが見えるところでもあります。
 また、考えさせられたことは、インターネットで評価され、ランク付けされていくコールガールの生活は、必ずしも我々の生活とかけ離れてはないということです。