幕が上がる

幕が上がる

幕が上がる

 平田オリザは劇作家・演出家です。本書は高校演劇をテーマにした小説です。さすがに演劇に携わっている人が関わっているだけあって、現実感があって面白かったです。
 万年地区大会突破できない弱小演劇部に、演劇経験のある先生が赴任してきます。そこから演劇部は大きく変わっていきます。部活もしたいけれど、進路も考えないといけないし、テスト前になったら部活は休みだし、などなどそこそこの進学校に通う生徒の様子が上手に書けています。
 後半は『銀河鉄道の夜』を改作した台本を高校3年の部長が「作・演」で作っていく様子が丁寧に書かれています。この『銀河鉄道の夜』の台本がすばらしく、読みながら感動しました。この舞台が見てみたいと思いました。とてもいい読書でした。