さいはての島へ
- 作者: アーシュラ・K.ル=グウィン,ゲイル・ギャラティ,Ursula K. Le Guin,清水真砂子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2009/02/17
- メディア: 単行本
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剣の師匠と打ち合いをしている時に、師匠をもう少しで負かしそうになった、その時の師匠のこの上なくうれしそうな顔をレバンネンは思い出します。実はここに答えは出ているのではないかと思います。
この話ではクモと呼ばれる永遠の命を欲するあまり、かえって死にきることができなかった男が出てきますが、人にとって永遠の命というのは、自分の命が最も信頼できる者に託される時に完成されるのではないか、それはオジオンが千里眼のヘレスから受け継ぎ、ゲドに引き継がれ、レバンネンに受け継がれたものです。ゲドが全ての力を失って死と生との境を閉じ、レバンネンにその志を託したことは、大賢人ネマールが命を捨てて救ったゲドの命の完成だった、永遠なる命への道だったと思われます。
一読目では全然読めていなかったことに、再読で気づく。きっともう何年かして再々読したら、もっと見えてくるものがあるのだろうか。