息子が書くのは珍しい。
- 作者: 夏目伸六
- 出版社/メーカー: 文藝春秋
- 発売日: 1991/07
- メディア: 文庫
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この夏目伸六さんの書いた本は随筆に分類されるのでしょうけれど、漱石研究の資料としても一級だと思います。弟子達が書いたものや、母の書いたものを批判的に取り扱い、父の姿を正確に伝えようという熱意が感じられます。その原稿力は、伸六さん自身が書いている、ある種のうしろめたさなのかもしれません。いずれにしても漱石を直接に知る人の書いた最後の文章でしょうから、今までの文章を踏まえつつ、丁寧に事実を追い求めています。