戦争の足音

小説 鶴彬―暁を抱いて

小説 鶴彬―暁を抱いて

 本名喜多一二、柳名鶴彬。反戦詩人として生き、1938年、29歳という若さで亡くなった人です。川柳をプロレタリア文学として確立すべく尽力し、反戦、弱者の文学を貫きました。俳句や短歌に比べて川柳が一段低く扱われていることに憤りを覚え、諷刺の文学としての芸術を磨きました。最後は特高に捕まり、拷問を受け、それが元になって亡くなってしまいます。
代表作は
手と足をもいだ丸太にしてかえし
ざん壕で読む妹を売る手紙
タマ除けを産めよ殖やせよ勲章をやらう
軍神の像の真下の失業者
など。