石油時代の終焉?

地球最後のオイルショック (新潮選書)

地球最後のオイルショック (新潮選書)

 今日の新聞に紹介が出ていて興味が湧いたので、書店で斜め読みしてきました(買いなさい)。「オイルピーク」という言葉があることを初めて知りました。イギリス人である著者によれば、10年以内に石油の生産はピークに達し、その後は減産に転じるというのです。僕が小学生の頃から、「あと○○年で石油は枯渇する」などと言われていて、それを誰も現実的なものとして考えてはいませんでしたが、この本で言っていることは、「枯渇」ではなく、「ピーク」です。様々な例証を挙げながら、各国の石油生産量が今やピークを過ぎているか、数年のうちにピークに達することを証明してみせます。今や中国やインドなどが先進国の仲間入りを果たし、化石燃料の消費量は右肩上がりです。このままでいくと、需要が供給に追いつかなくなる日はそう遠くないと著者は主張します。実際、石油は日々値上がりしています。これは投機的なマネーによるものと説明されていますが、どうやらこの「オイルピーク」も絡んでいるようです。しかし筆者も指摘するように、一般市民にこのことはほとんど報道されていません。政治家は事実を隠していると筆者は主張します。
 この本を読んで、いよいよ来たかという感じです。バイオエタノール天然ガスも起死回生の策とはなりそうにありません。人口爆発と、食糧問題……いよいよ人類の叡智が試されるときがきました。金にモノを言わせて世界中から資源と食糧を搾取してきた日本、その恩恵に浴してきた我々日本人は、さてどうする?