この国の冷たさの正体

この国の冷たさの正体 (朝日新書)

この国の冷たさの正体 (朝日新書)

 ある意味メディア・リテラシー的な本である。マスメディアが流す情報がいかにデータに基づかない怪しげで、得をしたい一部の人のための結論ありきの情報であるかを明らかにしています。筆者に言われるまでもなく、特に最近のテレビの情報はあまりに怪しく意図的であると思う。インパクトのある情報の一部だけ流し、それを追いかける報道もされないので、善悪・好悪のイメージだけが植え付けられてしまう。現場の心ある記者はたくさんいるはずだが、テレビに映っているタレントの無責任で、感情的なコメントなどは毒にしかならない。そういったテレビの情報を鵜呑みにしている人はいないと信じたいが、もしそのような情報にだけさらされている人がいるなら、本書はその処方箋としてお勧めする。
 全体的に切り口は賛成なのだが、浅い紹介で終わっているので物足りない気がします。第三章「何があっても自分を責めるな」第四章「自分の人生まで冷たくしないために」はまあまあ面白い。