社会学入門?

社会学の方法―その歴史と構造 (叢書・現代社会学)

社会学の方法―その歴史と構造 (叢書・現代社会学)

 読み応えのある本でした。第一部ではディルケーム、ジンメルウェーバーパーソンズマートンルーマンという六人の偉大な社会学者を取り上げ、その生い立ちから社会学の発展に果たした役割を詳しく紹介していきます。第二部では、社会学の方法を使って具体的にはどういうことができるのかを説明していますが、これはちょっと私には難しかったです。実際、私が読んだことのある人はウェーバーだけで、他の人はこの本で初めて名前を知ったくらいです。そういうわけで、第一部は面白く読みましたが、第二部はもう少し実際に社会学が使われている事例を知ってから読む必要があると思いました。それでも終章の「社会学はなぜ必要なのか」は面白く読みました。自分も含めての社会全体を違った視点から見る、それは面白いだろうと思いました。「当事者の間の誤解、不信感、差別、偏見。それがうみだす差別や排除。そうした人間の暗さや身勝手さが充満する場が、社会学者にとって一番の働き場所である」とあるのには納得しました。新聞を読むのが面白くなりそうです。こういう考え方がもっと一般に広まれば、多くの人が視野を少し広げられ、政治的無関心なども多少は改善されそうですが、どうだろう。