勉強になった。

最後の家族 (幻冬舎文庫)

最後の家族 (幻冬舎文庫)

 ドメスティック・バイオレンスと引きこもりについて、とてもよく分かる小説です。そういう解説書みたいなものや、啓発書みたいなものは無数にあると思いますが、こうして小説の形で呈示された方がずっと分かりやすいと思いました。事柄が極めて人間的なテーマだからかもしれません。考えてみれば、そうした解説書の多くも「事例」という名の小説的な文章が載っているのが(そしてその多くは事実に基づくもの)定番ですから、プロの小説家が書くというのは自然なのかもしれません。