今年一番
ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)
- 作者: 青砥恭
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2009/10/01
- メディア: 新書
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「貧困とは選べないことである」一言で言うと高校中退とはそういうことなんだろうと思います。内容についてここにだらだら書くのは無意味なので、印象に残ったことを。社会に貢献する国民を育てたいのなら、社会があたたかく迎えてあげないとだめだというような趣旨のことが書かれていたが、本書を読んで実感しました。選択肢がない人に、がんばればできるというのはほとんど死の宣告に近い。そういう若者が国家のために、社会のために尽くすはずがない、一見意味不明に見える犯罪はこれから減少するとは思えません。
著者は新自由主義の政策により、教育が市場化したことの罪をわかりやすく説明していますが、全国の政治家諸君はぜひ読むべきです。特に教育委員会を罵倒して教育日本一を掲げる人は、特に読むべきです。競争によって学力が上がるのではなく、はじめから競争の外に置かれている人たちを迎え入れることで、将来の労働者も、家庭も育っていきます。このままでは高学歴の役に立たないホワイトカラーばかりの、基幹産業が破壊された国になってしまいそうだ。