情けない日本人

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)

差別と日本人 (角川oneテーマ21 A 100)

 元衆議院議員野中広務氏と辛淑玉さんとの対談形式を取る、差別をテーマにした本です。読みやすく軽い本ですが、内容は重いです。よく野中氏が引退したとはいえ、これだけ率直に話してくれたものだなあと思いました。一方は部落民、一方は在日。両方とも代々日本特有の差別に苦しめられてきた人々の末裔です。こういう政治家がいたところが自民党の懐の深いところだ。今の自民党の低迷と無関係ではあるまい。
 辛さんの分析は鋭く明快だ。差別されたものにしか語ることのできない痛みが感情的になりすぎず語られている。
日本人はおしなべて読むべきである。