本も山

銀嶺の人(上) (新潮文庫)

銀嶺の人(上) (新潮文庫)

 女流登山家のお話です。女性クライマーがまだ少ない頃、日本の主な山を登った二人の女性はヨーロッパのマッターホルン北壁の挑む。男性によるリードによって登攀技術が上達していくのですが、二人とも自立した女性として男性に甘えることなく次々と困難を克服していきます。山の話とともに、二人とも職業を持った女性(一人は医師、一人は鎌倉彫の彫り師)として職業と山、結婚と山、家族と山の問題にぶつかっていきます。山の話よりもそうした生活の部分、いかに生きるべきかと主人公達が悩む部分が主な小説です。