知識人

続 羊の歌―わが回想 (岩波新書 青版 690)
 『羊の歌』の続編です。前編は終戦で終わっていました。続編の主な舞台は西欧になります。フランスのパリを拠点にドイツ・イギリス・イタリアなど旅行し、様々な人に出会いながら思索を深めていきます。特に女性との交際や音楽との出会いが彼の思索や芸術への感動を深めていきます。最後は久々に日本に帰って来て、違和感を感じながら安保闘争などを見聞し、再びヨーロッパに旅立っていきます。対象と知的な距離を持ち、常に第三者であるような感覚を持ちながら生きていく加藤周一。本当の意味での孤高がそこにはあります。