ブラザー・サン シスター・ムーン

ブラザー・サン シスター・ムーン

 恩田陸の新刊です。恩田陸は人から勧められて、『夜のピクニック』を読んだのが初めてで、これが二冊目です。『夜の』が大変面白かったので、期待しましたが、『夜の』ほどにはハマれませんでした。全体は3部構成で、3人の人物の同じ大学時代を扱っており、それぞれの人物が回想形式で語るという形です。とても自然で現実味もあるながら、ちょっと不思議な感じなのですが、もう少し構成をしっかり固められたんじゃないかな、とかただ流れ出るままだなという印象です。『夜の』は高校が舞台でしたが、いずれにしても過去の意味を問い続けていく作家なのかなと思っています。ちなみに題名は映画のタイトルに由来します。