職人

町工場巡礼の旅

町工場巡礼の旅

 旋盤工として長年働きながらペンも握ってきた作者が、職人の視点からモノ作りを語るエッセイ集。「生きることと働くことが同義の人たち」にあこがれます。人生訓のように読めるものもありますし、日本の産業構造を考えさせるような、社会派エッセイとも読めます。「地に足の付いた」という表現がぴったりの職人たち。そしてその職人を大切にしてこなかった日本、メーカーという名のついたモノ作りを忘れた大企業……。でも文章は明るい。そして少し哀しい。それでいて夢もある。いい本を読みました。