宇宙論入門―誕生から未来へ (岩波新書)

宇宙論入門―誕生から未来へ (岩波新書)

 高校生の頃にホーキング博士のビッグバン理論や多重宇宙についての平易な本を読んでとても興奮したことを覚えています。この本では、最新の宇宙論を紹介するとともに、宇宙論の研究の歴史を概観してあって分かりやすい本です。最近ちょくちょく耳にする、超ひも理論や、膜宇宙についても説明がされていて、ちょっとだけ理解できました。最終章のこれからの宇宙の歴史については実証不可能な部分ですが、とても興味深いものです。それにしても、理論家である物理学者の仮説が、観測によって実証される時の興奮はすさまじいものだろうなと想像します。そしてそれらが先人の理論の上に構築されていて、どの理論もムダにはなっていないところがまた面白いところです。人類の智慧というのは遺産として次々と引き継がれ、建物のように積み上げられていくものです。