中国古代の文化 (講談社学術文庫)

中国古代の文化 (講談社学術文庫)

 白川静先生の本をまた読みました。今回の本は、前の『文化』の前作で、本当はこちらから読むべきだったのですが、順番を間違えたようです。漢字の構造から説き起こして神話・文化・歴史を語っていく白川氏の手法は、「ことば」や「文字」というのものが人間の創り出した最も人間らしい核のようなものだと実感させてくれます。甲骨文字の研究をすることで、諸子百家の時代の人たちが忘れてしまった文字の意味などを掘り起こし、その時代の人たちの誤り、あるいは、語彙の変化などを指摘していくのを見るのは痛快です。白川氏が紀元前から生きているんじゃないかと思わず思ってしまうほどです。