西雷東騒 (思索と発言 (2))

西雷東騒 (思索と発言 (2))

 『市民の文』とセットの装幀で出版された、小田実の評論集です。毎日新聞に連載されていたものを多く含みます。小田実の発言は本当にまっとうで、読んでいて納得することが多いです。そしてその考えがなかなか容れられない、もう完全に機能不全になっている日本の政治シムテムにうんざりします。僕が小田実を偉いなあと思うのは、うんざりしているに違いないのに、なんとかしようとする日本への愛情を感じるからです。「愛国心」を声高に叫ぶ人たちよりもずっと。