知恵の書

女性を生きる (角川oneテーマ21)

女性を生きる (角川oneテーマ21)

 東京女子大学学長の湊晶子氏の実体験に基づいた女性論とキリスト教教育のエッセンスをわかりやすく書いた本です。本書のテーマは6つあります。「女性としてのほんとうの生き方」「女子大生が学生時代に見つけてほしいこと」「いきいきと生きるためのちょっとした工夫」「ほんとうのひとり立ちをして生きがいを」「私のひとり立ちへの旅」「国際人としての女性」
 本書を読んでいると、今、女性を巡る様々な問題として巷で議論されていることへの一つの解答が明確に示されていると思います。就職・結婚・出産・離婚・老後・女性の社会進出などなど。いわゆるハウツー本は世間にあふれていますが、そういう類の「答え」や「方法」が書かれているわけではなく、人間とは何であるか、女性とは何であるかを人と人との水平関係だけではなく、神との垂直関係をもとに洞察し、具体的な生活の中でどのように実践してきたかを描いているのです。遠回りなようで一番近い、本質を語る一書です。女性はもとよりすべての男性も読んだ方がよいでしょう。